小さなお願いからスタート
前回の記事で、「お願いごとは、大きく頼んで譲歩すると3倍の効果がある」と書きました。 実は、全く逆の方法があり、私はこちらの方が確実だと思っています。 何気なく日常に潜んでいる方法なのです。
一貫性の原理(フット・イン・ザ・ドア テクニック)
人は、自分の考え方や振る舞いに関して「一貫している」ことが大切であるという社会通念があります。 例えば「Aをする」と口にだしたら「やっぱりBにする」とか「Aをしない」とやめたりするのはいけないことだという考え方です。
スーパーなどの試食コーナーで、試食品を手渡された時のことを思い出してみてください。
・楊枝に付けられたサンプルを「手渡された」
→ 手渡しという作業を相手にされた
・お味はいかがでしょうか?と「質問された」
→ 返報性の法則で相手に借りを返してあげたいと思う。
・アッサリしていて美味しいですなどと「肯定的な答えを返した」
→ 返報性の法則で相手に良い回答をした。
→ 商品に関して肯定的な評価を下した自分に気づく。
・他の質問もされ、それらについても「肯定的な答えを返した」
→ 商品に関して、肯定的な評価を何度も行った。
・「キャンペーン中で安い」などお得感をだされた
→ 肯定的な評価をしているものを購入しないのは自分に一貫性が無いと感じる
→ 買ってしまった。
洋服を見ていると店員さんがそっと来て・・・
・何かお探しですか?と聞かれた?
・春物のジャケットを「探している」と言った
→ 購入予定のものを公言した。
・こんなのはいかがでしょう?と「2、3着持って来てくれた」
→ 店員さんに作業をさせてしまった。
・ 鏡の前で試着してみる
→ 返報性の法則で、相手や商品に肯定的な評価をしたくなる。
→ 商品に関して肯定的な評価をした自分に気づく。
・ サイズは合っていますか?と必ずYesの回答を「質問される」
→ サイズは合ってますと事実である肯定的な評価を繰り返し口にする
・ 在庫が少ないなどの希少感、キャンペーンなどのお得感を言われる。
→ 「服を探している」と口にして肯定的な評価を繰り返しているものを購入しないのは自分に一貫性が無いと感じる
→ 買ってしまった
「あるあるある・・・」じゃないですか? 笑
一貫性の法則を断ち切るには、最初に同意しないか、プライドを捨てて「やっぱり止める」と言うしかありません。
時としてこれらを悪用して無理な契約などに結びつける人もいます。残念なことです。
しかし人間は時として背中を押されないと、良い選択もしない「現状維持のバイアス」もかかっている動物です。
良い製品、良いサービスに関してこれらを積極的に活用したいですね。
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