エントロピーは増大する
私は「時間ができたらやってみたい」という人が何かをやりだすことに全く期待していませんし、そう言う人が時間が出来たということを見たことがありません。
実は「忙しさ」は自然にはなくならないのです。これを今回は物理学から、次回は心理学から書いていこうと思います。
「エントロピー」という言葉を聞いたことはありますか?

エントロピーという言葉の元々は、熱力学の言葉です。
「熱いもの」から熱はどんどん「冷たいもの」に向かい、それは戻ることはありません。どんどん広がっていってしまいます。
つまり「無秩序な状態の度合い」を表しています。
無秩序な状態ほどエントロピーは高く(数値が大きく)、整然として秩序の保たれている状態ほどエントロピーは低い(数値が小さい)のです。
整理整頓された部屋も、片づけをしないとそのうち物が散らかって足の踏み場もないほどになるでしょう。
煙が閉じ込められた箱のふたを開けると、煙は空気中に拡散していって、煙か空気か分からなくなります。
すべての物事は、「そのまま放置すると、そのエントロピーは常に増大し続け、外から故意に仕事を加えてやらない限り、そのエントロピーを減らすことはできない」という法則があるのです。
(参考 https://www.diva.co.jp/mail-magazine/131b/)
仕事の乱雑さは増大する
つまり、我々の日々にある「何かをしなきゃならない」というものは、どんどん広がって行き、放置すると、あれもしなきゃこれもしなきゃとどんどん乱雑さは増大してしまうのです。
散らかってゆく部屋、混乱する仕事現場、それらは誰かが収束させる外力を与えない限り元にはもどりません。それゆえ、何もせずにその混乱や乱雑さが収まるのを待つというのは物理学の法則として無理なのです。
忙しい人はいつまでも忙しい
ここまで読んでいただければご理解いただけるように、忙しい人は
- それを収束させる努力を意図的にやる
- だれかに忙しさを収束させてもらう
- 外部にその忙しさが流れてゆく
しかないのです。
さてさて、上記2, 3 ってどういう状況でしょう?
そうです。2) のように外部に助けを求めるのも1つです。
3) の「こいつ使い物にならないな」と誰かが代わってやってくれるという状態は避けたいですよね。
いずれにせよ「忙しい」が口癖の人は、その忙しさは意図的に解決方法を探さないといつまでも忙しいか、「使い物にならない奴」レッテルが貼られるのを待つしかないというわけですね。
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