世の中には「感動」が溢れている
社会もだんだんと落ち着きを取り戻し、人との再会が進んでいる方々もいらっしゃると思います。またこの巣篭もり期間に多くの勉強をオンラインでされた方も多かったのでは?
動きが出てくるとともにSNS上では「すごい学びが!」「感動しました!」「生まれ変わります!」などの前向きワードが散見されるようになったのは私だけでしょうか?
しかし、それらが持続して習慣化することはほとんどありません。なぜでしょう?

感動を持続させることの難しさ
よくセミナーアンケートで「感動しました!」「明日から心に刻んで行動します!」「生まれ変わって頑張ります!」「未来が見えました!」などのコメントを目にすろことがあります。
しかしその参加者に後日会うと、何かが変わったようにはちょっと見えないし、そのことを悔いているようにも見えない・・・
これは私自身にもあります。「感動」は覚えているけどなぜか動けず、結局「いい内容だったよね」程度に着地しちゃっている。
様々なポイントからこの問題は解決できます。その1つの原因と対策を書き留めておきます。
ゴールまでの道のりが見えないことは先延ばしする
自分にとっての「凄いこと」は、多くの場合に「かつてやったことが無いこと」を見せられた時ではないでしょうか? 事実にせよ、考え方にせよ、方法論にせよ。
つまり「やり方」がわかっていない、とりかかれない状態です。
でも自分にも出来そう、「私でもやればできる!」を連発している状態です。
「やればできる」→「結局できない」→「でもやればできる」・・・
これを繰り返すということは自分への裏切りです。しかしこのとき脳内ではとんでもないことが起こっているのです。
自分を裏切ると「ドーパミン」が出る
ドーパミンって聞いたことありますか?
目標をイメージすることの功罪でも書いたのですが、何かを手に入れようと心躍るときに分泌されるやる気ホルモン(実際には神経伝達物質)です。欲しい物、彼氏、彼女、駆り立てられるように人を動かし、一種の幸福感を味わえます。
実は「やろうと思っていたけどやらなかった」ことが起こると、ドーパミンが分泌されると言われています。身体としてはそれをやらせなきゃいけないわけですから駆り立てるために分泌させるのでしょう。
ダイエットしようと思ったときに、誘惑に負けたものを食べてしまった。「でも大丈夫!明日からちゃんとダイエットする!」と思ったときに湧く、ちょっとした期待感などはまさにこれです。
つまりやり方がわからないから先延ばしすると「やらないことによって幸福感が得られる」ルーチンが出来て最後はその現実に落ち込むわけです。諦めるかもしれませんし、自己卑下しちゃいますよね。
新しいことにチャレンジするには
では、新しいことへのチャレンジや、いままでの習慣から変容しようというときにはどうすればいいでしょうか?
「すぐやる」菅原洋平著では「わざ言語」という表現で、やるべきアクションを自分の経験から生み出せる言葉で表現することを推奨しています。
過去の経験から「こんな風に第一歩をやってみる」という言葉にしてみるのです。
「素敵なBlogを書いて、本にしたい」の第一歩は「まずはタイトルと小見出しを3つくらい書いてみる」でやってみることです。
- 主観:素敵な本を出してみたい
- 客観:まずはBlogを書き溜めてみる
- 経験:タイトルと小見出しを、まずはPCで打ち込んでみる
主観のうちはなにも変わりませんが、このように自分の経験で実感のある言葉に置き換えると、動き出せるのです。
よく「物事は小さなステップではじめる」ことが推奨されます。
実際にできることが自己効力感として得られるということですが、脳科学的には無用な負のドーパミン生成を抑える効果もあると考えられます。
幸福の女神は誰にくるのか?
情報化時代と言われ久しいです。そしてビジネスや人生の成功もいろいろなところに転がっているように感じられます。そして「いつか自分にもチャンスが転がってこないかなぁ」と思っている人も多いでしょう。
そして多くの「成功者」が、その想いや決断をセミナーなどで発表されます。
真面目な方ほどその主観表現である言葉自体に囚われて、アクションが取れないのではないでしょうか?
では、気づきやチャンスは誰が手にするのでしょうか?
「幸運の女神は常に準備している人のみに微笑む」というパスツールの言葉があります。準備をしていて、近いことを経験していればすぐにチャンスや気づきを「わざ言葉」にできます。
常にアクションを起こしていたいものです。そして未知の領域は自分の体験からくるアクションに落とし込むクセをつけていきましょう。
(参考)「すぐやる! 行動力を高める”科学的な”方法」菅原洋平 文響社